ENo.0063　魔王『謳われざりし物語』

「＠？がつ　＝？にち
　
　はじめてゆうしゃのみなさんをおしろにまねいたけれど、ボクとしたことが、うっかりしていました。
　なんと、おしろをぞうちくするためのかべのそざいに、まちがえてまほうつかいのまもりてをつかってしまったのです。
　ああ、なんというもったいないことでしょう。
　
　そのせいで、ゆうしゃのひとたちをかんげいするためのまもりてたちが、とてもすくなくなってしまいました。
　ぞうちくしたおしろはとってもひろくなったので、ゆうしゃたちがすぐにかえってしまうことはなかったけれど、
　みなさんをたのしませることができなくて、もうしわけなかったです。
　
　わるいニュースもあれば、いいニュースもあります。
　おしろがかんせいしたころに、ごきんじょのまおうさんがふたり、“どうめい”をむすんでくれました。
　“どうめい”をむすんでいると、おたがいのおしろにあらわれたゆうしゃのひとたちに、とびいりであいさつできるのです。
　ひとりより、ふたりがいいさ。ふたりより、さんにんがいい。
　むかしのえらいひとも、そんなことわざをのこしています。“どうめい”って、すばらしいな。
　
　“どうめい”をくんでくれたのは、ぜんかいのにっきでしょうかいした、271ばんちのおしろのかわいいおんなのこと、
　212ばんちのおしろの、かっこいいかめんをつけたおとこのひとです。
　ふたりとも、たくさんエールをおくってくれて、とってもたすかりました。
　ボクは、おしろのぞうちくですこししっぱいしてしまったせいで、あまりおうえんできませんでした。
　つぎは、がんばっておうえんしなきゃ。
　
　それと、かぜのうわさにきいたはなしでは、319ばんちのほうで、おちゃのこうじょうがかじになっているらしいです。
　ゆうしゃたちがひをけしにいったけど、まだかんぜんにはひがきえていないそうです。
　はやく、かじがおさまるといいなとおもいます。
　
　　　　　せれん」


　　＊－＊－＊－＊－＊－＊－＊－＊－＊－＊

　「出オチかと思ったら続けるのかよその芸風……」

　「演出には一貫性も大事だからねぇ。ふふふ」

　「三千世界屈指の飽きっぽさを誇る男が何か寝言言ってんぞおい」

　「ボクの気まぐれと凝り性を兼ね備えた最強の布陣に隙はないよ！」

　「最悪じゃねェか」