ENo.0161　万能戦士イエスマン

「・・・で、君が俺を呼んだのか？どうして俺を呼んだんだ？」
全身をほとんど青と黒のツートンカラーで彩られた筋肉質な男はポージングを取り名前を名乗りを上げると、自身の目の前にある無機質な色をした塔に向いた。
塔の遥か上方には窓が付いており、そこからは金色の線が幾本も覗いていた。
暫く後に、窓からは声だけが帰ってきた。

・・・あー、ありがとねー。いやもうほんと困っててね

如何にも困っているという感情の込められた、高い声が帰ってきた。

「容量を得ない返事だな。
それに、人を呼んだのに顔すら見せないとは失礼な奴だな。
まあいい、今一度問わせてもらおう。
何に困っていて、何故私は呼ばれたんだ。
答えを頼もう。」


彼は窓へ向けて、声を張り上げてその意を伝えた。
すると、窓からも幾分か大きな音で返答があった。
やー、なんかねー、私ここ最近来たからしらないんだけどねー
ここ、色々あって【勇者】ってやつらに攻撃されるらしくってー
別にそれはいいんだけど、私が塔を作るのの邪魔もしてきそうなんだよねー
あっ、私ね、あのね、塔を作る仕事があるんだー。世界一高い塔
でね、それが来る15週間ね、私をね、守ってほしいのー・・・できる？

「それで、守ってもらうために、わざわざ見ず知らずの私を呼び寄せたわけか。」
「だが良かろう、返事はイエスだ！！」
「今一度名乗らせてもらおう、私の名前はイエスマン！この世を守る、正義の改造人間だ！！」

男は一段と大きな声で塔の上に返答し、またポーズを取った。


・・・ありがとーっ！！
これで契約終了ね！
でねー、ここ慣習的に守る人は【魔王】って呼ぶんだってー
よろしくねー魔王ー
「！？」
ついでにねー、なんかここ前にも神様が居たらしいんだけどねー
今どっか言っちゃったらしくてー、でまあそれはいいんだけど
ここ代わりに居座る許可取ってないから、そっちもよろしくねー
「！？！？」
あとここ、変な土地らしくてねー
戦う度に業ってやつが溜まって、頭がおかしくなるようだから、注意してねー
もう契約終了まで元の世界には帰せないけどー、がんばれー！
「！？！？！？」